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NPV(正味現在価値)とは?計算方法をわかりやすく解説!

更新日:

投資をするかどうかどうかの判断や、異なる投資案件を比較するのは難しいです。

そんなときに役に立つのはNPV(正味現在価値)でしょう。

NPVの使い方とメリット、デメリットについてまとめました。

 

NPVとは?

NPVとはNet Present Valueの略で、日本語で言うと正味現在価値となります。

投資に対してどれだけの価値を得られるか、ということを表すものです。

どうやって計算するかというと、2ステップあります。

①まずは資産が将来にわたって生み出す価値を現在価値になおします。

②その後、その資産を得るために必要な投資額を、①で計算した資産の価値から引きます。

\[
\bf  NPV(儲け)=資産の現在価値(価値)-投資金額(値段)
\]

 

NPVは資産の価値から投資の金額を引いている「儲け」の部分を表しているので、プラスであれば大きければ大きいほど投資で得をします。

また、小さければ小さいほど投資で損をすることを表します。

 

以前に割引現在価値についてご紹介しました。

割引現在価値とは! 計算方法や割引率を わかりやすく解説!

今の100万円と1年後の100万円って価値は同じでしょうか? 同じという人もいれば違うという人もいるでしょう。   じゃあ質問を変えて、私があなたに100万円あげるとして、今貰うのと1年後に ...

割引現在価値は将来の価値を現在の価値になおすとどれくらいか、という考え方ですが、NPVはそれをさらに発展させ投資判断に使えるようにしたものと言えるでしょう。

 

NPVの計算方法

NPVの計算方法はおもに2種類あり、永久にキャッシュフローが入る前提で計算するものと、途中からターミナルバリューで計算するものです。

これら2つについて説明します。

 

永久にキャッシュフローが入る場合

\[
\bf NPV =\frac{ FCF_1}{{(1+割引率)}} + \frac{FCF_2}{{(1+割引率)^{2}}} +・・・ + \frac{FCF_n}{{(1+割引率)^n}} +・・・ -初期投資額 - \frac{n年後の投資額}{{(1+割引率)^n}}
\]

n年後に\(FCF_n\)のキャッシュフローがあり、それが永久に続く場合の場合のNPVは上のように計算されます。

例えば株なんかを買って、そのまま売らずに永久に持っている状況なんかがこれにあたります。

今まではわかりやすく価値と書いていましたが、正確にはNPVはキャッシュフローベースで計算されます。

 

計算方法としては、投資に関わる全てのキャッシュフローを現在価値になおして足しています。

全てなのでもちろん初期投資や途中での投資額も計算に入れます。

ただし投資は現金が出ていくため、足すのではなく引いています。

 

残存価値を使う場合

\[
\bf NPV =\frac{ FCF_1}{{(1+割引率)}} + \frac{FCF_2}{{(1+割引率)^{2}}} +・・・ + \frac{FCF_n}{{(1+割引率)^n}} +\underline{\frac{ターミナルバリュー}{{(1+割引率)^{n+1}}}} -初期投資額 - \frac{n年後の投資額}{{(1+割引率)^n}}
\]

n年後に\(FCF_n\)のキャッシュフローがあり、n+1年後以降はターミナルバリューで計算した場合のNPVは上のように計算されます。

状況としては株を買って配当を受け取り、一定の時間がたった後に買った株を売る場合なんかがこれにあたります。

また、事業に投資をする場合にもよく使われます。

直近5年くらいのキャッシュフローを予測することはまだ可能かもしれません。

ただそれ以上となるとなかなか予測は難しいため、とりあえずこれくらいだろうという概算をするためにターミナルバリューとして計算したりします。

 

計算方法は基本的には永久にキャッシュフローがある場合と同じですが、n+1年後以降のキャッシュフローに関しては、まとめてターミナルバリューとして計算しています。

ターミナルバリューはn+1年後における資産の価値を表しています。

 

ちなみにターミナルバリューの計算方法は様々ですが、以下のような方法で計算することが多いようです。

\[
\bf ターミナルバリュー=\frac{最終年度のFCF}{割引率-永久成長率}
\]

 

NPVの具体例

NPVの具体例をイメージでとらえる

NPVをイメージしていただくために具体例を出してみます。

例えば100万円を事業に投資をして、毎年10万円の利益を永久に受け取れたとします。

この場合は、以下の図のようなイメージで、1年後の10万円、2年後の10万円と、各年ごとの利益を現在価値になおしていきます。

 

 

次に、現在価値になおした利益をすべて足しあわせます。

全て足すことにより、その資産の価値、この場合は100万円で投資した事業の価値を表します。

最後にそこから投資に使った100万円を引きます。

すると、NPVが計算され、この100万円の投資で得をするのか損をするのかがわかります。

 

 

 

NPVを具体例で計算する

まずは状況を整理しましょう。

投資金額は最初の100万円。

その後毎年10万円の利益を得られます。

また、割引率はとりあえず5%としましょう。

するとNPVの計算式は以下のようになります。

\[\begin{eqnarray}
\bf NPV &=&\frac{10}{{1.05}} + \frac{10}{{1.05^{2}}} +・・・ + \frac{10}{{1.05^n}} +・・・ -100\\
\\
&=&\frac{10}{{0.05}}-100\\
\\
&=&200-100\\
\\
&=&100(万円)
\end{eqnarray}
\]

 

NPVは100万円となります。

この事業に投資をすると100万円の得になる、という結論が出ます。

 

NPVのメリットとデメリット

メリット

メリットはやはり異なる投資を現在の価値という共通の尺度で比較できることでしょう。

投資は案件ごとに投資回収のタイミングが異なることが多いです。

当然、投資回収は遅いよりも早いほうが良いのですがこれを比較するのは難しいのです。

しかし、現在価値という評価軸を使うことにより、投資回収のタイミングまでも織り込んで評価することができるでしょう。

さらに、割引率を案件ごとに設定することで、投資のリスクも評価に入れることができます。

 

デメリット

1.割引率に大きく左右される。

NPVは割引率に大きく左右されます。

例えば先ほどの具体例、100万円で事業に投資を行い毎年10万円の利益が得られる場合を考えましょう。

割引率は5%と設定しましたが、これをもっと上げていくとNPVは当然低下していき、10%を超えるとむしろマイナスになってしまいます。

割引率 NPV(万円)
5% 100
6% 67
7% 43
8% 25
9% 11
10% 0
11% -9
12% -17

割引率というのは非常にふわふわした概念で、5%と6%に明確に異なるという根拠なんてないでしょう。

一方で割引率が5%と6%ではNPVは33万円も違います。

このようにNPVも割引率同様、とてもふわふわしたものとなる可能性があります。

 

2.投資を中長期的な視点で見られない可能性がある

もう一度同じ図を出します。

1年後の10万円の価値よりも、4年後の10万円の割引現在価値の方が大幅に小さくなる事がわかります。

割引現在価値で評価すると、同じ金額でもより遠い将来の現在価値は大きく低下するのです。

 

そのため、以下の2つの事業があった場合、1の方がよりNPVが大きくなる可能性があります。

  1. 1年後には大きな利益を得られるもののその後の利益はどんどん低下していく事業
  2. 数年は利益がでないものの、その後は大きく利益が得られる事業

しかし、長期的にみると2の方が魅力的な投資である可能性があります。

このように、中長期的に投資を評価したい場合には向かないのです。

 

NPVのまとめ

NPVは投資を行うと得なのか損なのかを調べたり、異なる投資案件を現在価値という共通の尺度で単純に比較する事ができます。

一方で、単純化しすぎているため、割引率の設定によって大きく評価が変わったり、中長期的な投資の評価には向かないというデメリットもあります。

しかし、デメリットも知った上で使えば、とても便利な道具となるでしょう。

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