投資中級者向け

ETFの分配金売りは結局いつ行われるのか?

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Bloombergで以下のような記事がありました。

ETF分配金で6289億円の換金売りとの試算、薄商い下で影響大

記事の内容としては、7月8日と10日に日経平均、TOPIXと連動するいくつかのETFの決算日があり、分配金捻出のために現物株約3,000億円、先物約3,000億円の合計約6,000億円が売られるといった内容です。

これについてもう少し詳しく考えてみました。

パッシブETFは現物株・先物をいつ売るのか

最も気になるのはここでしょう。

Twitterでは決算日の3日前説やら、決算日前の週明けにすでに売られている説なんかも見られました。

しかし結論としては、ETFが現物・先物を売るのはそれぞれのETFの決算日である8日、もしくは10日です。

これはETFの仕組みを考えてみればわかります。

そもそも、厳密に言うとETFは分配金捻出のために現物・先物を売っているわけではありません。

ここがBloombergがミスリーディングなところです。

分配金の捻出というと、あたかもETFは決算日に分配金を振り込まないといけないけど現金がないから、株や先物を売って現金化しているような印象を受けます。

しかし、実際のところはETFは決算日に現金を持っている必要はありません。

確かに分配金は決算日に確定しますが、実際に振り込むのは決算日から1か月程度後であるからです。

ではなぜ決算日に現物株・先物を売るのかというと、決算日以降は分配金の分だけベンチマークに連動する資産を減らさなければならないからです。

図で示した通り、決算日までは分配金(予定)に相当する部分もベンチマークに連動させる必要があるため、分配金も再投資しているような状態です。

一方で決算日の翌日からは分配金(確定)はベンチマークと連動させせてはいけません。

そうすると必然的に現物株や先物を売るタイミングとしては決算日当日ということがわかります。

なぜパッシブETFは分配金のために前もって売買しないのか?

ここまで読んだ方は、「確かに理屈としては決算日に売ることは分かったけど、実際に決算日に売っているのかわからないのではないか?」と思うかもしれません。

実際にこんなスキームを組んでいたとすれば、その売られる瞬間を狙われる可能性があり、ファンドとして損をする可能性があるのではないかという意見は一理あります。

しかしこれもパッシブETFの性質を考えればわかります。

パッシブETFの運用の目的は儲けることではありません

彼らの目的はいかにベンチマークとの乖離を減らすかということです。

そのため、決算日前に前もって売買すれば儲かる可能性もありますが、損をする可能性もあり、いずれにしろベンチマークとの乖離を生む可能性があります。

そんなリスクをとるくらいなら例え高値で買って安値で売ったとしても、決まった日に売買してベンチマークとの乖離を生まないことが、パッシブETFとしては正しい行動となります。

これに関しては、パッシブETFに投資している人にとってはたまったものではないでしょう。

パッシブETFに投資している人は結局儲けるためにやっているのですから。

一方でパッシブETFが裁量で売買するともはやパッシブ運用の意味がなくなってしまうため、難しい問題です。

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