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証券アナリストの仕事とは?アナリストの情報はあてにならない!?

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証券会社のアナリストがどんな仕事をしているのか、ご存知でしょうか。

例えば年初に各証券会社が年末の日経平均の予想をだしており、その予想をした人はアナリストと呼ばれていたりします。

ただ、普段はどんな仕事をしているかわからない人も多いと思いますので、証券アナリストが何をして、どうやって稼いでいるのか、年収はどれくらいなのかを解説しました。

また、証券アナリストが設定しているレーティングや目標株価の情報はあてにならないのか、についても考察しています。

証券アナリストとは

そもそも証券アナリストとは何でしょうか。

証券アナリストの資格を取れば証券アナリストなのでしょうか。

実は証券アナリストの資格を取っただけでは、証券アナリストとはなりません。

ではどうすれば証券アナリストになれるのかというと主に以下の2つの方法があります。

  • 証券会社の株式や債券のリサーチを行う調査部
  • 生命保険会社やアセットマネジメント会社といった資産運用会社の調査部

証券会社に所属するアナリストはセルサイドアナリストと言われています。

対して資産運用会に所属するアナリストはバイサイドアナリストと呼ばれています。

セルサイドアナリストとバイサイドアナリストは仕事内容も結構違うため、次にそれぞれについて簡単に説明します。

セルサイドアナリストとは

セルサイドアナリストの仕事は顧客に良い投資情報を提供し、株を買ってもらうことです。

ただそれだけではなく、企業と市場をつなぎ、正しい情報を伝える役割もあるとされています。

そのため、セルサイドアナリストのレポートは一般にも公開されます。

たまに見る、 A証券会社がソニーのレーティングを1(買い)、目標株価6,000円に引き上げ、といったニュースはセルサイドアナリストのレポートが元になっているのです。

バイサイドアナリストとは

バイサイドアナリストの仕事は、ファンドマネージャーと呼ばれる、運用会社で実際に運用を行っている人に情報を提供することです。

そのため、バイサイドアナリストのレポートは一般には公開されず、その社内だけで使用されます。

ただしバイサイドアナリストについては、運用会社の規模や体制によっても、役割が異なったりしますので、一概に言えません。

証券アナリスト(セルサイドアナリスト)の仕事

ここではより多くの人の目につきやすいセルサイドアナリストについて、もう少し詳しく書きます。

セルサイドアナリストの仕事はさらにアナリストストラテジストに分かれます。

アナリストはトヨタやソニーといった個別の企業を分析する一方、ストラテジストはマクロの視点から分析を行います。

しかし、どちらも仕事の目的は共通しており、レポートを書いて、機関投資家を中心とする顧客に投資情報を提供することです。

そして、アナリストやストラテジストの評価や収益は、顧客にどれだけ良い情報を伝えられるかで決まります。

セルサイドアナリストの仕事

アナリストの仕事は個別の企業について調査を行っています。

具体的には企業や関係者に取材を行い、得た情報を元に財務分析を行って、その企業の収益性や安定性から将来の利益予想をします。

その後、現在の株価が企業価値に対して高いか安いかを計算し、それぞれの企業のレポートを執筆して、その企業の株に1(強気)から5(弱気)の5段階でレーティングをつけます。

また、レポートだけでなく、機関投資家と電話なりミーティングなりで自分の考えを伝えるということも重要な仕事です。

余談ですが、セルサイドアナリストは公共性も高いため、選択的な情報提供は禁止されています。

具体的にはレポートに書いていないことを口頭では伝えたり、 Aさんには情報を提供するけどBさんには提供しない、といったことです。

ちなみにこれは社内のディーラー等に対しても同様に禁止事項となっております。

例えばディーラーがソニーの株を大量に買い占めてから、同じ会社に所属するアナリストがソニーの買い推奨のレポートを執筆し株価を押し上げて儲ける、といったことも明らかにコンプライアンス違反です。

アナリスト・ストラテジストの収益・評価

アナリスト・ストラテジストはレポートを書いて情報提供を行うと書きましたが、それではどうやって稼ぎ、何で評価されているのでしょうか。

これは主に2つありブローカー評価とアナリストランキングです。

ブローカー評価

1つはブローカー評価、つまり顧客である機関投資家からの評価です。

実は、機関投資家は良い情報提供をしたアナリストが所属する証券会社により多くの株を発注し、結果として多くの手数料を払うため、関節的に収益に貢献できるのです。

もう少し具体的な例で考えてみましょう。

例えばある機関投資家がソニーの株を10,000株買いたかったとします。

株を買いたいといっても、機関投資家は市場から直接買うことはできないため、証券会社に手数料を払って株の発注をしなければなりません。

さて、その機関投資家は普段から証券会社AとBに所属するアナリストのレポート読んだり、アナリスト本人から情報提供を受けています。

証券会社Aに所属するアナリストの情報の方が有用だと思った場合、例えばソニーの10,000株の発注を、証券会社Aには8,000株、証券会社Bには2,000株といったように、傾斜をかけて発注します。

すると証券会社Aのほうがより多くの手数料を貰えることとなり、これが証券会社Aに所属するアナリストの収益への貢献となります。

また、こういった手数料の払い方は不透明になりやすいため、ヨーロッパではアナリストの情報に対して直接手数料を払うMiFID2という規制が行われています。

ただ、日本やアメリカでは今のところそういった規制はなく、ブローカー評価で決まっています。

アナリストランキング

アナリストランキングは有名なものは日経ヴェリタスのアナリストランキングです。

これは毎年3月に日経ヴェリタスから、各セクターやストラテジスト毎にランキングが発表されています。

他には一般的には馴染みがないですが、Institutional investors という会社もグローバルでアナリストのランキングを作成しています。

ただ注意したいのは、アナリストランキングはどちらかというと人気投票の側面が強く、もっぱら日系の証券会社の方が頑張っている感じです。

アナリストの年収

アナリストの年収は皆さんが一番気になるところではないでしょうか。笑

ただ、アナリストってプロ野球選手みたいなもので、何歳でいくら、なんて目安はあって無いようなものです。

また、実力と需給が合えばヘッドハンターからコンタクトが来ます。

それでも目安を紹介しますと、セルサイドアナリストの場合、若手だと外資系で1,000万~2,000万、日系企業では数年で1,000万~程度です。

また、シニアと呼ばれる各セクターのトップになるともっと貰えます。

ここからは実力次第なので何とも言えませんが、日系でも3,000万以上の給与をもらっている人もいます。

特に給与水準の高い外資系ですと数千万単位、1億円以上の人もいなくはないでしょう。

まあここまでくると本当に一握りですけどね。

バイサイドの場合はセルサイドに比べてやや水準が落ちる傾向ですが、それでもシニアとなると2,000万円程度は貰えるでしょう。

ただ何度も言いますが、給与は実力次第であって無いようなものだと思います。

基本的に生き残っている人は優秀な人ですので生存者バイアスがかかっており、若手アナリストが必ずしも将来稼げるようになれるとは限らないのです。

あと、「証券アナリスト 年収」なんかのキーワードで調べると、アナリストの平均年収は650万円です!みたいなくそブログが出てきますが、あれは嘘ですよ。笑

今の時代だと高学歴の大卒がほとんどで、新卒でも650万円程度はもらっているはずです。

アナリストのなり方

セルサイドであれ、バイサイドであれ、新卒でアナリストになることは出来ます。

外資系の企業の場合、通常は部門で採用を行っているため、リサーチ部門で採用されれば調査部に配属されるでしょう。

日系の企業の場合でも、セルサイドアナリストはリサーチ部門として募集されることが多いため、採用されればほぼ確実に調査部に配属されます。

一方でバイサイドでは新卒で入社すると総合職で入ることが多く、必ずしも調査部に配属されるとは限りません。

転職については同業他社から来る人が圧倒的に多いでしょう。

他にはコンサルや事業会社から転職してくる人も少なくもないです。

アナリストの情報はあてにならない?

最後に、アナリストの情報があてにならないのかについて考察してみました。

巷ではよくアナリストやストラテジストの目標株価・レーティングなんて当てにならない、むしろ予想を外してばっかりだ、といった意見もよく聞きます。 

これに関してはもちろん正しい部分もあります。

そもそもですがアナリストにも優劣があるため、予想が当たる人もいれば、外れる人もいて当然でしょう。

ただそれだけでなく、レーティングの意味がきちんと伝わっていない部分もあると思います。

どういうことかと言うと、基本的にアナリストの強気、弱気は市場(TOPIX)に対するものです。

そのため、例えばTOPIXが20%下落している時に企業の株価が5%しか下落していない場合は、その企業はTOPIXに対して15%アウトパフォームしているため、レーティングは強気でも問題ないのです。

また、レーティングについては他にも色々な大人の事情があります。

例えばアナリストは株式のレーティングを1(強気)から5(弱気)の5段階で評価しますが、実は4(やや弱気)以下のレーティングがつけられることはあまりありません。

なぜなら、低いレーティングは株価を下げる要因となりえるため、事業会社との関係を悪化させる可能性があるからです。

事業会社との関係が悪化した場合、アナリストが取材で満足に情報を得られなくなったり、最悪出禁になったりすることもあります。

それだけでなく、公募増資や社債発行といった投資銀行部門での収益にも悪影響となることがあります。

そのため、低いレーティングは忖度される傾向があります。

例えば過去には楽天がとあるアナリストを批判し、出禁にしたことが有名でしょう。

また、最近では野村證券のストラテジストのレポートがマレーシア政府の怒りを買い、サムライ債発行の主幹事を外された、なんてケースもあります。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40369090T20C19A1EE9000/

さすがに国と揉めるケースは珍しいのですが、事業会社ともめるケースはちょくちょくあります。

これは証券会社と事業会社、両方が解決しなければいけない問題でしょう。

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